所有権留保の解除

所有権留保とは、車検証上の所有者がディーラーまたはローン会社、クレジット会社になっており、車検証上の使用者が、自動車を購入したユーザーになっている状態のことをいいます。

これは、以下のような自動車の購入を行ったときに生じます。

  • 新車をローン(分割)で購入した。
  • 個人売買で購入した車の支払いをオートローン(自動車ローン)にした。
  • 中古車販売業者で車を購入し、支払いはクレジットを組んだ。

車の購入時に支払いが完了していないので、所有権はディーラー、ローン会社に付けておき、支払いが完了した時点で、所有権を使用者(ユーザー)にすることになります。

この所有権を使用者(ユーザー)にする手続きのことを、「所有権留保の解除」といいます。

車検証上の所有者がディーラーやローン会社になっている時点では、「所有権が留保されている」状態です。
ただし、納税義務者は使用者(ユーザー)になっているので、毎年の自動車税は所有権留保の状態でも、解除の手続きを行った後でも、使用者(ユーザー)が納めることになります。

この点、車検証上の所有者が納税義務者である「リース」とは仕組みが異なります。

所有権留保の解除の手続きとは言っても、手続き方法としては通常の名義変更(移転登録)手続きと同じになります。

〈車検証上の所有者を旧所有者、車検証上の使用者を新所有者とする移転登録を行うことになります。〉

通常の名義変更手続きと異なるのは、「自動車取得税がかからない」ということです。

年式の新しい自動車の名義変更の場合、課税標準額が50万円以上だと自動車取得税がかかりますが、所有権留保の解除の手続きは、文字通り「留保を解除して、所有権を使用者にする」だけなので、「取得」には該当しません。